2013年12月30日月曜日

2013年「苗繍の会」 太陽紋

2013年も残るところ2日、今年は諸事情あって後半は書き込みができませんでした。

でも、針は努めて持つようにしていました。

「苗繍の会」もちゃんと毎月集まり、手も口もせっせと動かして楽しみました。

今年の初めの会で決めた「太陽紋」をなんとか形にしたので、写真を載せてみます。

ステッチの種類はほとんどオープンチェーンステッチとボタンホールステッチで、土台布に
じかに刺す方法と別の布に刺した円を土台布に留める方法とあるようです。

ステッチの応用

土台布に留める前の状態

完成した太陽紋
2014年はどの刺繍に挑戦してみましょうか。Shao

2013年8月28日水曜日

Miao Embroidery Class(みゃおししゅうきょうしつ)

Class1の「定線繍」

10年前教室ではじめて習った「定線繍」が出てきました。

Class1の4種類の中で、この刺繍の写真を載せることができなかったので、遅ればせながらやはり載せることにしました。



糸1本を絵の輪郭に沿って置きながら別の色糸で適宜な間隔で留めていきます。
この土台の糸は2色の撚糸も使いますが、この糸を縒り合わせる方法がなんともおもしろいのです。
目打ちを使って上品に縒る日本刺繍とは違って、2色の糸を1本の針に通し、その端を針先で縫うようにして針の目近くに2本とも留めたら、自分がはいているズボンのすそに待針のようにとめて固定します。そしたら1色づつ一定方向に縒りをかけ、2色とも同じくらいの縒りがかかったら両方合わせて反対方向によってできあがりです。

1メートル近い長い糸を縒るので平均してきれいな縒りを作るのは難しいのですが、縒りの美しさを見るのも楽しみです。

この龍は顔の部分から始めました。


2013年5月21日火曜日

習作 その2 破線繍(ポーセンシュウ)

貴州省、施洞(シードン)の苗族の刺繍、破線繍です。

教室で初めてこの刺繍に出会った時、まずその輝きに魅せられました。
そして、何とも言えない不思議な生き物たちと様々な人々を描いた図柄も魅力的でした。

さて、自分でさすとなると、「サイカチの実」からの糊づくりから始めなくてはなりません。
5,6つぶの実を煮て(もしくは熱湯に浸す)ゼリー状にして使います。

図案を描き(私は本からの写しを使います)、切り紙をして、土台布に糊付けし、この切り紙の上からさしていきます。

刺繍糸は絹で、4~6等分に割いて細くしたものを使います。(苗の人はもっと細くするそうです)
その細い糸にサイカチの糊をつけ、乾かして張りが出たところでやっと使えるわけです。

手間がかかりますが、破線繍の光沢に、この行程は欠かせません。

出来上がりの刺繍の部分にはすべて土台の切り絵が入っています。
それで細い糸でさしてもボリュームが出て図柄がふっくらとするわけです。
エコですね。






 

11×12センチ

2013年4月29日月曜日

習作 その1 十字繍(シーズシュウ)

貴州省、貴陽花渓の苗族の刺繍、挑花(ティアオホア)の図柄をさしてみました。
十字型の刺繍、つまりクロスステッチを基本に様々な模様が作られています。
一見普通のクロスステッチにみえるのですが、いわゆるクロスステッチとは技法に大きな違いがあります。
それは裏からさすということ。
これには参りました。
表からさすことに慣れてしまっている私には、少し挑戦してみましたが、とてもとても・・・
苗の人は小さいころから針目の習得の為に練習するそうです。




残念ながら写真の作品は表からさしたものです。
絹糸3色使っています。

雰囲気だけでも表現できれば。

2013年4月16日火曜日

「苗繍の会」2・3月

今年の課題にしたトン族の太陽文様に少しずつとりかかりました。
まず、皆で同じ図柄でさすことにして、下絵を決めます。

① 薄手の布(四方10センチほど)に下絵を描く(左の白い布)。右の黒い布は土台になる。

② 中心からそれぞれの渦巻きをオープンチェーン・ステッチでさす。

③ 渦巻きの外側の大きな円はボタンホール・ステッチでさす。

④ 渦巻きの間の空きの部分はサテンステッチまたはボタンホール・ステッチで埋める。

⑤ 一番外側の円を一段さしたところで3~5ミリほど残して布を円に切る。

⑥ 台になる布(ここでは黒)に糊で貼り、ボタンホール・ステッチでところどころ太陽の光線になる長いステッチを出しながら、一周して留める。

 巾着に仕立ててみました。

 会では神話にある「9の太陽」をさしてみようということになりました。

2013年3月24日日曜日

中国少数民族の染・織・刺繍展

「古布のある暮らし」中国少数民族の染・織・刺繍展が田園都市線青葉台にある中国家具を扱う店「エスニカ」で始まりました。

昨日、初日に早速訪ねてみました。

店内の中国家具のあちらこちらに古刺繍や織物、藍染がセンス良く飾られていて心地よい空間になっています。

その店内を宝物探しをするように、手に取りながら刺繍仲間と何度も行ったり来たり。

一周すると、また新しい発見があったりして、小一時間があっという間に過ぎてしまいました。

織のように細かい貴州省「黄平(ホワンピン)」の苗族の刺繍のち密さにはただただ驚かされるばかり。

年月を隔てて絹の光沢は輝きを増しているようにみえます。

現在もう織れる人はいないのではないかという「苗錦」のおぶい帯。

やはり貴州省の「石坪(シーピン)」地区の頭にかぶるスカーフの、白地に濃い色の糸でさした刺繍は、地が白のためもうほとんど手にはいらないとか。

そんな中、飴色したかごの底のほうから可愛い動物をさした「破線繍」をみつけました。

お聞きすると新しいもののようです。
まだ、苗の人々の中には刺繍を続けている人もいることを知って、ちょっとうれしい気分になりました。

展示会 3月23日(土)~31日(日)(26日は休み)

会場 「エスニカ」045-983-1132 横浜市青葉区桜台25-5桜台ビレッジ1階
    post@ethnica.jp




2013年2月25日月曜日

虫子繍(チョンズシュウ)の技法

刺繍というより「結び」といったほうがあっているかもしれません。


①糸は長めに用意します。
 糸の太さで2本どりまたは4本どりにします。

 布の裏から針を出したら、できあがりの長さ分手前に針を入れて、最初の針を出した同じ場所に針をだします。このとき針は抜かずに頭の部分はとどめておきます。


②2本または4本の糸を両方に等分に分けて、両側から編んでいきます。

 親指と人差し指を使って、針に両側から糸を掛けながら交互に編みます。






③長さ分編んだら、ゆっくり針をぬいて編んだ部分を手前に倒しながら針を裏に出して留めます。


2013年2月23日土曜日

苗繍教室 補習その2

虫子繍 チョンズシュウ両針繍 リャンゼンシュウ

虫子繍は蝶々の胴体部分と中心の4匹の虫に使われています。

長めの針に4本の糸を通し、針の頭をぎりぎりまで表に出して、その針に2本ずつに分けた糸を両側から編んでいきます。
長さが決まったところで針を引いて、編んだ部分を倒し針を裏に出して留めます。
ですから、この部分は土台の布から浮いた状態になっています。

蝶々の胴体部分は62回ほど編んでいます。

蝶々の羽、中心の花の輪郭は両針繍。
輪が重なっていない、比較的やさしい技法です。

絵柄の中心から。
長めの糸(絹2本どり)を裏から出したら少しねじっておきます。
別の針に同色の糸を用意して、先のねじった糸で輪を作りながら、この針でバックステッチで留めていきます。

輪の大きさをそろえるのが大事、と楊先生。








2013年2月11日月曜日

苗繍教室 補習その1

さて、カリキュラムは一応終わって、補習です。

1、剪布繍 ジエンブシュウ(アップリケ)

 苗族の先生、張さんが描いてくださった絵をカット。
 それを台布の上に置いて配置を決めたら、しっかり糊付け。

 金糸(2m位)を2本どりで、裏から玉を作らずに表に出して(裏の部分は別糸で留めておく)カットの絵の輪郭に沿って置きます。

 綿ししゅう糸1本を2本どりにして金糸を等間隔で留めていきます。

 順番は、動物の目の部分から始めます。
剪布繍

2、繞針繍 ラオゼンシュウ(バリオンノット)

 長い針に2m位の絹糸を2本どりにします。

 さす長さ分、針に糸を巻きつけて針を倒して元の位置にさします。

 葉と茎は倒線繍ダオシエンシュウ(バックステッチ)。


2013年1月31日木曜日

「苗繍の会」1月

中国少数民族の刺繍に惹かれた者がなんとなく集まるようになりました。
毎月一回、一緒に刺繍をしたり、古刺繍を鑑賞したり、展示会に出かけたり、と今年で8年目になります。
名付けて「苗繍の会」
メンバーは4名。
中国語が堪能で、中国茶にも詳しいMさん、蘇州刺繍を習ったこともあり、すばらしいバティックを描かれるKさん、貴州省の田舎までひょっと行って材料を買ってきてくれるSさん。
Sさんは自分の足で集められた刺繍のコレクションも多彩で、その鑑賞で会を過ごすこともあります。貴重な刺繍のお手本にもなっています。


さて、今年はみんなで何に挑戦しましょうか、ということで、苗族ではなくトン族の「太陽文様」をさすことにしました。

2013年1月18日金曜日

Miao Embroidery Class ‐その3‐

Class 3(4種類)

 苗刺繍教室では一応Advanced Course とか。とにかくここまで来ました。

 まず「剪紙破線繍 ジエンジポシエンシュウ」。
 
この刺繍をするには、まず土台になる切り紙を作ることから始めます。
重ねた薄紙の一番上に絵を描き、これを「紙縒り」で一番下の紙まで留めて、まとめて切り抜きます。(この教室では3枚ほど)
この絵を布に糊付けし、平繍で埋めていきます。

剪紙
この平繍に使う絹糸は「破線繍」という名のように細く割いた糸を「さいかち」の実から作った糊をつけます。こうすることによって細くても強い光沢のある糸になるのです。

破線繍
そして、おなじみ「長短繍 チャンドゥワンシュウ」(ロングアンドショート)。

長短繍
グラデーションが少し入っている糸を用いたので、その効果を楽しみながらさすことができます。


次に「双針繍 シュワンゼンシュウ」2本の針を使う刺繍。

下絵を描いた紙の上からさします。

良く縒りをほどいた糸をねじって輪にし、もう一方の針に通した糸でその輪を留めていく方法。

苗の人は驚く細かさでさしていくけれど、初心者の私にはとうていできない。
永遠の課題です。


双針繍
クラス3の最後は「絞繍 ジャオシュウ

これはちょっと不思議な刺繍。
図柄のアウトラインに沿って太目の巻き糸を留めておき、その中を綿糸で埋めていきます。
刺繍糸でゆるい輪を作り、その形をこわさないようにして並べていくかんじです。


絞繍

以上、カリキュラムとして習った内容ですが、説明はかなり簡略したものです。

この段階ではとても「苗刺繍」と呼べる代物ではありませんが、とにかく基本は学ぶことができました。




この後、まだカリキュラムになっていない技法も教えてもらうことになりました。

「苗刺繍」は奥が深いです。

是非その本物を見ていただきたいので(お口直しに)、常滑市に昨年開かれた「苗族刺繍博物館」をご紹介します。

http://miao-japan.com

是非「刺繍コレクション」のページをご覧ください。


2013年1月9日水曜日

Miao Embroidery Class ‐その2‐

Class 2(4種類)

 やっとクラス1を終えて無事クラス2へ。
このクラスでは苗刺繍の特徴ある技法が学べます。

 まず「空針繍 コンジェンシュウ」。
    
 「空針繍」とは文字通り空洞のある太い針を使う刺繍。
 その空洞に糸を通して下絵の上から突き刺して絵を埋めていく。
 すると裏に一定の長さの輪(フリンジ)ができるので最後にその輪を短くカットしてできあがり。
ちょうど絨毯のようになります。
 この面が表。
 輪を短く切った時の色の出具合が楽しみ。

空針繍


辮繍
次は「辮繍 ビエンシュウ」。
 幅3ミリ程度の組みひもを留めながら下絵を埋めていく技法。

 まずこの組みひもを9本の絹の縒糸で編む。
 「リズムよく編むことが大事です」と先生。

 本当はこの花の中も全部ひもで埋めなくてはならなかったのですが・・・














 そして 「貼布繍 ティエブシュウ」(布畳ブディエとも堆布繍ドイブシュウなどともいう)
 これは、刺繍というより紙細工のよう。
 糊付けして紙のようになった薄い絹の布を小さく切って折り畳み、重ねて留めていきます。
 ため息で飛んでいってしまうような小さなピースを細い針で糸が目立たないように留めていくのです。
貼布繍
重なりが多くなると容赦なく針が折れます。
 あーしんど。 


 このクラス最後は「打子繍 ダーズシュウ」(フレンチナッツ)。
 切り絵を土台の布に荒く縫い付けておいて、この絵の輪郭に沿って太い巻き糸を留める。
 そしてこの巻き糸の中をフレンチナッツで埋めていく技法。
 絹糸は完全に縒りを戻してから使います。
  
打子繍

 
 
                   



 

2013年1月5日土曜日

Miao Embroidery Class(みゃおししゅうきょうしつ)

 2003年に上海で出会った「苗刺繍教室」。
私よりずーっと若い貴州省からいらした少数民族の苗族の先生と文字通り手取り足取りのレッスンが始まった。
 
Class 1(4種類)
 
鎖繍(スオシュウ)
1番やさしそうな「鎖繍」(チェーンステッチ)から。
黒い布の上に銀ペンで描かれた下絵をさしていきます。
苗族の人たちの倍以上のさし目になってしまっても「揃っていればいいですよ」と先生。

 次は「平繍」(サテンステッチ)。
とにかくフリーハンドで描かれた図柄が楽しい。
後でこのステッチが大変難しいことを思い知らされるのでした。

 そして「定線繍」。
絵柄の輪郭に沿って縒った糸(2色)または太目の糸を這わせて別色の糸で留めていきます。
平繍(ピンシュウ)
龍と鳳凰をさしてみたけれどクッションにして差し上げてしまった。
また、さしてみたい。

 
 



 この基本クラス1の最後は「鎖辺繍」(ボタンホール)
ここで初めて絹糸を扱うことに。
滑る、細い、冬の荒れた手に容赦なくひっかかって手が止まってしまいます。


 励まされながらやっと仕上げました。
鎖辺繍(スオビエンシュウ)

2013年1月3日木曜日

新年を迎えて

中国の少数民族の刺繍に出会ってほぼ10年になった今年、それまでぽつぽつと刺してきた拙い私の刺繍を記録したくなりました。
さて、どれだけ彼らの刺繍に近づけるか、どれだけ前に進むことができるか、自信はないけれど何か形になるよう願っています。